琉球初心者マーク ~ 誇り高き文化外交  江戸上り ~

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 ため息モノのドキュメンタリー映画を観ました・・・ 『 よみがえる琉球芸能 江戸上り 』


 ・・・琉球王国時代の 江戸上り で披露された芸能が描かれた絵巻物の世界を 忠実に蘇らせたい、 と思ったのがきっかけだった・・・


 映画の中でそう語っていたのは、国指定重要無形文化財 琉球舞踊保持者 又吉静枝さん。


 舞踏家、古典音楽研究家・演奏家、歴史研究家、着物をはじめとする制作に関わる方々、 其々の分野で 絵巻の再現に向けての真摯な取り組みの過程が映し出されていきます。



 そして本番、 東京日本橋三越劇場での公演・・・

 出演者、関係者、 揃って 現代版 江戸上り (えどのぼり)。




 江戸上り・・・

 薩摩の侵攻で大和に組み込まれた琉球は、将軍の代替わりを祝う 慶賀使、 琉球国の新王が承認されたことへの 謝恩使 を江戸に送ることになります。

 これらの使節団は 江戸上り、 又は 江戸立(えどだち)と呼ばれました。


 1634年~1850年の間に 18回の使節団が江戸に上っています。

 那覇港を出発して、鹿児島 山川港に立ち寄ります。  
 その後、東シナ海から関門海峡を通って瀬戸内海、 広島 鞆の浦に立ち寄り、京都伏見や大阪に上陸します。
 そのあとは陸路で江戸まで・・・   気が遠くなる行程です。

 ・・・ちなみに江戸立(えどだち)という言葉が正しいようです  当時、上るのは京の都のことでした。



 (とりあえず)江戸上りでは、琉球ならではの外交手段、琉球の美と文化を披露して大和の人々を魅了します。


 それらは、今、私達が想像する以上の琉球ブームであったようです。

 使節団が 江戸に向かう途中の 立ち寄る土地土地に 歴史資料が残されていて、どれほどの期待を与え 人気を博したか見て取れます。

 たとえば、使節団が通った各地で描かれた 江戸上りの行列絵巻、 沖縄県立博物館での特別展で拝見した事がありますが、 其々の絵師の 表現の違いが表れて面白いものでした。

 今でいう 江戸上り行列を見学するためのガイドブックまであったんだそうです。



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 使節団の中でも 注目の的は、御座楽(うざがく)の席で 舞踊と演奏を披露する 楽童子(がくどうじ)と呼ばれる 15歳前後の少年達です。

 彼らは、良家の出であって、容姿端麗、芸能はもちろんの事、書や囲碁も嗜むという パーフェクトな 選ばれた少年達です。


 画像の絵巻の きれいな着物の人達です、 皆、女性のなりをしていました。 

 使節団のアイドルといえたでしょうか・・・

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 行列の絵巻物に描かれる楽童子は 必ず 馬上の人です。  
 周りを薩摩の侍が警備するように囲んでいるのですが、笑いあったり、話し合ったりしている様子が描かれていて、まるで話し声が聞こえてきそうです。



 ・・・さて、

 その楽童子達が披露してきた、江戸上りでの御座楽の様子が再現された ドキュメンタリー映画 「江戸上り」 のクライマックス!
 三越劇場での公演・・・



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 浮かび上がる異空間、長方形の空間に、格調高い 琉球古典音楽と謡が響きます。

 舞踊は息をのむ美しさです 静かな流れるような所作に見入ってしまいます。

 目の前に、160年の時を越えて、絵巻物が 音を奏でて動き出していました。

この記事へのコメント

ままりん
2012年02月24日 21:33
わたしも見ました!一度失われた文化を取り戻すことの難しさをしみじみ感じました。江戸時代、特に物見高い大坂京の人々はわくわくして見たでしょうね。わたしも見たかった。琉球から薩摩、九州西海岸から瀬戸内海、当時人気の朝鮮通信使も同じルートで江戸へ行っていて、辻原登の「韃靼の馬」に、夢のように美しい瀬戸内海の航海が描かれています。きっと琉球の江戸上りもそうだったのでしょう。再演の予定はないのでしょうかね。
2012年02月25日 13:41
ままりんさん
映画は今でも各地で公開されているようです
詳しくは「江戸上り」のホームページで確認できますよ
生の公演・・・  ほんと、見て見たいものですね~

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