三蔵法師 を 詣でに・・


 薬師寺の宗派、法相宗 の 始祖は、言わずと知れた 三蔵法師 ≪玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)≫ です。
 中国で会得した仏教を、さらに その本質を追及するために、仏教発祥の地 インドに 原典を求める旅に出ました。
 長い歳月と 過酷な道程を経て、中国に 経典を持ち帰った話が、後に ≪西遊記≫ と なります。


 薬師寺には、玄奘三蔵の お骨が分骨されているのです。


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 薬師寺の 「白鳳伽藍」 の北側、 玄奘三蔵 を 顕彰した 「玄奘三蔵院伽藍」 にきました。

 伽藍のなかの 「玄奘塔」 は、大陸を旅した 玄奘三蔵に 想いを寄せたような 少しエキゾチックな雰囲気の 六角の御堂です。


 更に、その北側に建つのが、「大唐西域壁画殿」

 この御堂の ご本尊は 壁画。
 私は この壁画のご本尊に 手を合わせに来ました。


 日本画家 平山郁夫画伯 が、玄奘三蔵 を 顕彰して 献納した壁画がご本尊となっています。
 玄奘三蔵が旅した道程、眺めたであろう光景が、御堂の 四面を巡ります。



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   ≪明けゆく長安大雁塔≫


   ≪嘉峪関を行く≫
   ≪高昌故城≫




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   ≪西方浄土須弥山≫


   ≪バーミアン石窟≫
   ≪デカン高原の夕べ≫
   ≪ナーランダの月≫




 更に、この七場面に 一日の 刻の流れを込めています。


 壁の中央には、エベレストを 仏の世界の中心 「須弥山」 に見立てて描いた ≪西方浄土須弥山≫ 
 この御堂のご本尊です。

 たどり着いた インド、ナーランダの月あかりのなか、長く過酷な旅は まるで すべて 浄化されたかのようです。



 御堂の中は、遥かな大陸の悠久に、たとえ 大勢の参拝者がいたとしても、 どこまでも 静まりかえった空間です。




 昨年、沖縄県立美術館で、これらの壁画を 一般の美術館でも鑑賞できるようにと、縮小して描かれた作品を含んだ 『平山郁夫展』 が 開催されました。

 その時 展示されていなかった ≪場面≫ の作品が 一点ありました。
 「大唐西域院壁画殿」 の 格天井には 満天の星が 瞬いていました。
 玄奘三蔵は満天の星に見守られながら 旅をしていたのです。



 この壁画を参拝したくて、今回、薬師寺にやってきました。

 薬師寺と、玄奘三蔵と、平山郁夫・・
 遥か 仏教のきた道は 奈良 西ノ京 に 続いていました。

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