数奇な運命をたどった絵画


 那覇市出身の女性が ワシントンD.C. で入手した、 いかにも沖縄らしい風景画は、1963年当時の 西銘順治那覇市長から、 第3代 キャラウェイ高等弁務官に贈られた絵画でした。
 昨年度、沖縄県立博物館・美術館に寄贈され、アメリカ統治下の沖縄を物語る 歴史的な背景と価値から 博物館の所蔵となりました。

 現在、沖縄県立博物館で開催中の 「 平成30年度収蔵資料 新収蔵品展 」 に展示されています。



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 1962年に描かれた ≪ 沖縄風景 ≫ 作者は 大嶺政寛。

 大嶺政寛 (1910-1987) は、戦前戦後にわたって 沖縄の原風景を描いた 那覇市出身の画家です。


 ≪ 沖縄風景 ≫ も 赤瓦の民家、 白砂の道、 強い日差しまで伝わってくるような 沖縄の原風景が描かれています。 

 額装の裏には 「 贈 琉球列島高等弁務官 ポール・W・キャラウェイ殿  1963 12/25 」 


 クリスマスプレゼントだったんですね。



 61年~64年に就任した キャラウェイは、名前だけは 私にも 聞き覚えがあります。 高等弁務官といえば キャラウェイ みたいな・・

 歴代の高等弁務官のなかでも、強権的な政策を執ったことで、独裁者的な印象も残しています。
 「 沖縄県民による自治は神話に過ぎない 」 とまで発言し、 「 キャラウェイ旋風 」 という言葉も残されています。


 絵画は、キャラウェイの親族が手放し、日本料理店 「 まこ と」 の店主が 古美術商から購入して 店に飾られていたそうです。
 閉店に伴い、那覇市出身の女性が購入し、この度 博物館に寄贈されました。



 一枚の小さな絵画に 戦後の沖縄の揺らぎを感じてしまいました。

 でも、とても素敵な絵で、 いつも沖縄を感じていられる こんな絵画を、 一枚 手元に置けたらいいなと思ってしまいました。


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 博物館に収蔵される資料は、 寄贈 ・ 購入 ・ 収集 の 3つに分かれるのだそうです。

 旧 博物館の開館 ( 昭和21年) から 平成29年までの全収蔵資料のうち、 約 8 割が 寄贈での資料だとか。

 お宅に、博物館の学芸員が目を見張るほどの 歴史的資料が眠っているかもしれません。

 そんな気さえした 「 平成30年度 新収蔵品展 」 でした。


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