組踊300年


 沖縄には、かつて「琉球 」という一国であった歴史を 今に受け継いでいる伝統が 数多くありますが、 芸能といえば ≪ 組踊 ≫ が 筆頭に挙げられます。
 2010年には ユネスコ無形文化遺産に登録され、大切な伝統芸能を継承するための裾野が広いことも実感します。


 組踊の始まりは ちょうど 300年前の1719年、首里城北殿前にて、冊封使一行に 初めて上演されました。
 その上演300年を記念した 企画展が 沖縄県立博物館で公開されています。


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 ≪ 組踊 ≫ は、セリフ、音楽、踊りで構成された歌舞劇です。

 セリフは 抑揚に特徴があり、地謡は 琉歌がもとになり、演技や踊りは 琉球独自の所作をみせてくれます。
 最小限の所作に、演技が 最大限に表現されて、何とも 洗練された 格調高い古典芸能です。



 組踊が生まれた背景があります。

 1609年、薩摩の侵攻により 大和に取り込まれた琉球は、以降、徳川将軍の代替わりを祝う ≪ 慶賀使 ≫ 琉球国王の就任を感謝する ≪ 謝恩使 ≫ などの使節団が、将軍に拝謁するために 江戸に上りました。
 ( 江戸上りの過去記事は 2012/2/19「 琉球初心者マーク 誇り高き外交 江戸上り 」m(_ _)m )


 琉球の芸能を披露するとともに、大和の芸能も目にしたことでしょう。

 第二尚王統 13代 尚敬王の冊封にあたり、踊奉行に命ぜられた 玉城朝薫 が、大和の芸能を参考に 琉球独自の文化を融合させ 創始しました。

 朝薫が創作した組踊を代表する演目には、お能の ≪ 道成寺 ≫ とストーリーが似る ≪ 執心鐘入(しゅうしんかねいり) ≫ 羽衣伝説が下地にある ≪ 銘苅子(めかるしー) ≫ など、大和文化の影響が見受けられる演目もあります。


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 ≪執心鐘入≫


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 ≪銘苅子≫



 今回の展覧会には、和歌山県の道成寺が所蔵する 「 道成寺縁起 」絵巻が 沖縄初公開されていて、故郷との所縁に 私の心も ほっこりとしています。


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 組踊そのものは、なかなか 鑑賞する機会はないもので、私の周りの ウチナーンチュでも 「 観た!」って方は少ないです。

 ちょっと敷居の高い 「 国立劇場おきなわ 」を 伝承・公開の拠点にして、格調高い伝統芸能には違いないですが、本格的な組踊を なんと無料で鑑賞する機会があります。

 毎年 中秋の名月の頃に、首里城正殿前の御庭にて 組踊や 伝統古典舞踊、歌三線が披露される 「中秋の宴」 
 なんと、人間国宝の演者も登場するものですから、こんな機会は そうあるものではありません。 今年は 9月14日・15日。 
 南国に存在した美しい琉球国から 世界に羽ばたいた 組踊を、是非 堪能してみて下さい。

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