クマノザクラのお裾分け


 故郷に咲く桜を最後に見たのは もう 10年近く前になるかもしれません。 大阪に向かう紀勢本線の車窓から ヤマザクラを見つけては 目に焼き付けていました。
 3月の声を聞くと、広葉樹の中にポチポチと、柔い薄桃色を探すことが出来るのです。 それが 桜とは気づかないほど 早春の頃。


 地元では 長く 「 早咲きのヤマザクラ 」と 認識されていた、ヤマザクラに似たサクラが 新種だと判明し 発表されたのが 2018年。

 今年も元気に咲き出したよ と、さくら便りが届きました。


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 和歌山県南部 熊野の地方の固有種 クマノザクラ  撮られたのは 古座川流域です。


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 ところで 和歌山県南部、故郷を《 熊野 》と呼ぶ地元民はいなかったと認識しています。《 南紀 》が 長く馴染んだ呼び方です。
 《 熊野 》は「 熊野川 」 などの固有名詞と とらえていました。

 世界遺産に登録されてから 「 そうか、私は 熊野に住んでいたのか・・ 世界遺産に住んでいたのか・・ 」と、いたく感じ入ったものです (ーー;)

 今では、故郷を離れた土地では《 熊野 》と呼ぶほうが ダイレクトに分かってもらいやすくなりました。



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 ところで、クマノザクラの根元に 丸い木株のようなものが置かれています。ハチの巣箱です。

 この中には ミツバチの巣、蜜蝋(ミツロウ)がびっしり。そのミツロウには 天然のハチミツがたっぷり♪


 むかし、ハチの巣箱から取り出したばかりのミツロウを 口に含んだことがありました。
 じゅう~っと、口いっぱいに広がった 濃密で贅沢な甘さは、今でも忘れることはありません。


 クマノザクラの自生するこの土地は どこまでも のどかです。ハチの巣箱が そのことを教えてくれます。
 この一枚から、懐かしい思い出が 湧き出すように蘇ってきました。


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